【DWE(ディズニー英会話)は右脳教育になる?】右脳開発とフラッシュカード

【疑問】右脳教育ってホントに効果あるの?

みなさんは、右脳教育をご存知ですか?

みなさんもご存知の通り、脳は右脳と左脳ではたらきが異なります。
創造力や感性を司るのは右脳、ロジカルな部分を司るのは左脳とされており、幼児教育の現場ではたびたび「右脳教育はスゴイ!」という話題が出るのですが、実は、右脳教育が絶対に子供の脳の発育に良い、と断言できるようなエビデンスはありません。

今回は、そんな右脳教育がなぜたびたび脚光を浴び、取り組まれているのか? についてお話します。

右脳を活性化させると何がそんなにいいの?

語彙力・情緒を育むことで自己表現が多様になる

たとえば、右脳教育で最も有名なものに七田式(しちだしき)があります。
七田式教育は、教育研究者・七田眞氏によって提唱された幼児教育の手法です。
60年以上の歴史を持ち、現在は全国230か所以上に幼児教室を展開している七田式は、子供の感性を大事にし、子供の個性を認め、情緒を大事にしながら知能を育てるといった良さがあります。
七田式は、日本における右脳教育の第一人者のような存在であり、最も有名な教材に「フラッシュカード」があるのですが、皆さんはフラッシュカードと聞いて、何を思い浮かべますか?
日本で一番有名なフラッシュカードは百人一首かもしれませんが、百人一首以外にもさまざまなものがあるんです。

【七田式教材】フラッシュカードってどういうメリットがあるの?

効率的かつ大量にインプットできる幼児教育

百人一首やくもんのカードのような、スピーディにカードをめくるタイプの教材をフラッシュカードと言い、フラッシュカードは右脳教育の代表とも言える教材として知られています。

具体的には、果物のイラストが描かれた紙を1枚ずつめくりながら、先生が「りんご」「バナナ」「いちご」というふうに声に出して名称を教えると、お子さんは音と目に情報のシャワーを浴びたような状態になり、結果として右脳が活性化する、といったものなのですが、これらが「絶対に右脳の開発に繋がっている」というれっきとした研究結果はありません。

しかし、お子さんの感性に沢山の刺激を与えられることも、七田式がベストセラーとして今も愛され続けていることも本当ですので、「メリットがない」と言い切ることも誰にもできないのです。

百人一首はどういう教育効果があるの?

百人一首は、フラッシュカードの一種として知られていますが、具体的にどのような教育効果があるのでしょうか?
百人一首は記憶力が高まるだけでなく、競技性も備えていることから瞬発力も育まれると言われていますが、百人一首の魅力は何と言っても、古典理解へのきっかけになるということだと言えます。

小学生の頃、「友達に勝ちたい一心で百人一首を覚えた」という方も少なくないと思いますが、あのたった百一枚の中に、掛詞や縁語のような表現技法がたくさん入っているのです。
もちろん、古い言葉もたくさん使われています。
くずし字の美しさに魅了され、後に国語の先生を目指すようになった時に、百人一首の経験が大いに活きてくるといったこともあるかもしれません。

一口に、「百人一首は右脳開発に効果がある」と断言することはできません。
しかし、何気ない楽しい経験が、大人になった時に「活きてくる」「役に立ちはじめる」という可能性もまた否定できないことなのです。

中国の科挙に学ぶ「音読」のすごさ

もちろん、フラッシュカードをただこなすだけでは意味がない、ということもあるかもしれません。
しかし、音読と組わせておこなった場合は、もしかするととてつもない効果を発揮するかもしれないのです。

たとえば、かつて中国の官僚登用の制度に「科挙(かきょ)」というものがありました。

科挙は、世界で最も合格が難しい試験と言われていた試験であり、隋から清の時代にかけておよそ1300年間おこなわれていました。
日本で言うところの国家公務員採用試験のようなものですが、国家公務員採用試験よりも難易度が高く、倍率は3,000以上に及んだこともあったと言われています。

そして、科挙の勉強法として最も有名なのが「音読と復習(反復)」であり、何と、当時の人々はすでに単語カードのようなものを使って勉強していたと言うのです。

フラッシュカードとの大きな違いは、先生ではなく「学ぶ側が」カードを音読しているという点にあります。
つまり、フラッシュカードを「耳と目」だけで使わせるのではなく、「耳と目と口」で使わせたときには、多大なる効果を発揮するかもしれない、ということになるのです。

DWE(ディズニー英会話)って右脳教育になるの?

「トークアロングが本当に教育になるか心配!」という方へ

私は、ディズニー英語システムの中古買取、販売を長年続けていますが、よくお客様からこんな質問が寄せられます。

「トークアロングって、使わせっぱなしにしておいて本当に効果あるんですか?」

トークアロングカードは、ディズニー英語教材のセットに入っている510枚あるカードです。
効果音や動物の鳴き声などを再生でき、フラッシュカードのように高速で使う、といった使い方もできますし、お子さんのレベルに合わせて使用できます。

しかし、「これを流しっぱなしにしておけば、子供が英語ペラペラになる」というものではありません。
お子さんの興味がどれくらい強いか、といったことにも左右されますし、ただ英語を延々と聴いているだけで英語話者になれるかというと、そんなに甘くないのと同じです。

お子さんにただ聞かせるだけでなく、真似して発音させたり、体を動かしながら発音させたり、「どのカードが好き?」と尋ねてみたりと。
受動的なままにしておくのではなく、「経験(Experience)」になるように親御さんが工夫することで、「より良い教材」になり「より良い経験」にもなる筈、と私は考えています。

まとめ

フラッシュカードは使い方しだい!

ここまで、「右脳教育ってどうなの?」「フラッシュカードって本当に意味あるの?」ということについて語ってきましたが、何事も「使い方」「生かし方」が重要です。

DWEに限ったことではありませんが、「英会話の教材を買って、子供の目の前にポンと置いておけばそれだけで英語が得意になる」かというと、絶対にそんなことはありません。

また、同じ暗記カードも、ただ大人が高速でめくるだけでは何の効果もないこともあるでしょうし、子供に音読させながら高速でめくらせた時には大いに効果を発揮する、という可能性もあります。

今回、幼児教育にフォーカスしてお話してきましたが、ここまでお伝えしたことは、大人にとっても無関係なことではありません。

ただ教育系YouTuberの番組を流しっぱなしにするのと、時折自分も真似して書いてみたり、真似して音読してみたりするのとでは、脳に与える刺激も大いに違ってくることでしょう。

【教材は扱い方ひとつで大きく変わる】というお話でした。